主の祈り

うちのハラウでは、フラのレッスンの前には、PULE(プレ。祈り)の時間があります。
最初は、Kunihi Ka Mauna*1からはじまり、E Ho Mai*2, Na aumakua*3, Lord's prayer*4と続き、最後にHO‘ONANI I KA MAKUA MAU*5


そのすべてを終えてから、レッスンがはじまります。
これは、どんなに時間がない時でも欠かせないしきたりのようなもので、
これらのチャントをとなえることで、
フラ以外の日常の雑念から心が解き放たれ、レッスンに気持ちが
集中できるような気がします。


ところで、わりと最近、Lord's prayerが実は日本語では、「主の祈り」であることを知りました。ハワイ語の言葉を覚えるのに必死で、実は英語をしっかり読んでいなかったのがバレバレ(恥)なのですが、これはキリスト教の祈りの言葉です。プロテスタントカトリックでは、訳が違うのですが、以下、私が小学生(大昔)の頃通っていた、日曜学校で習ったものを書きます。


E ko makou makua i loko o ka lani
E ho'ano ia kou inoa

E hiki mai kou aupuni
E malama 'ia kou makemake ma ka honua nei

E like me ia i malama 'ia ma ka lani la
E ha'awi mai ia makou i keia la

I 'ai na makou no neia la
E kala mai ho'i ia makou i ka makou lawehala 'ana

Me makou e kala nei i ka po'e i lawehala i ka makou
Mai ho'oku'u 'oe ia makou i ka ho'owalewale 'ia mai

E ho'opakele nona 'e ia makou i ka 'ino
No ka mea nou ke aupuni a me ka mana

A me ka ho'onani 'ia a mau loa aku
'Amene 'Amene


天にましますわれらの父よ、
願わくは御名の尊まれんことを、
御国の来たらんことを、
御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを。
われらの日用の糧を、こんにちわれらに与え給え。
われらが人に赦す如く、われらの罪を赦し給え。
われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より救い給え。
アーメン

昔からの先祖やハワイ古来の神への信仰の気持ちと、キリスト教の信仰が1つのPULEとして共存しているところが、現在のハワイならではだなと思います(フラは一度キリスト教の宣教師たちに禁止され、文化的消滅の危機にあったという歴史的背景を考えると、ハワイ人でない私ですら、複雑な気がします)


私自身は無宗教なのでこういったことに抵抗はないのですが、もしかしたら何かの宗教の信者の方は、チャントなどつきつめていくと、自分の宗教との共存が難しくなるかもしれません。実際、ハラウには熱心なキリスト教徒の人もいるのですが、そういう人にとっては「主」が唯一の神なので、ハワイの神々のことはあえて、深く考えないようにしているという人もいました。(でないと、フラ、特にカヒコが踊れなくなる…)

*1:神聖なハラウの中に入る許しを乞うためのMele Kahea

*2:イーディス・カナカオレ作のチャント。フラを学ぶための精神的な準備を整えるため3回唱える

*3:先祖の力を借りるための祈り

*4:ローズ・プレイヤー。初めて聞いた時は、ROSE PLAYERと思ってしまった私。まだ耳は日本人だ…ハワイ語のタイトルはKA PULE A KA HAKU

*5:日本語訳不明。英題は、PRAISE GOD, FROM WHOM ALL BLESSINGS FLOW。一般にDOXOLOGY=ドクソロジーと呼ばれています。音のみ聴けるページを発見!こちらをクリック