フラのポーズは誰のもの?

Hula I Ka La: Dance in the Sun


フラのポーズをめぐって、著名な写真家、キム・テイラー・リース氏が、ネイティブハワイアンのアーティストを訴え、論争を巻き起こしています。

キム・テイラー・リース氏は、フラをテーマにした写真で知られるハワイ在住の写真家です。今回の訴えは、彼の作品の1つに酷似したステンドグラスをめぐって起こされたもの。


訴えられたのは、オアフ島カイルアにある、Island Treasuresというショップのオーナー。店頭に掲げられた作品は、実際、リース氏の有名な作品の1つ(題:Makanani)にそっくりで、背景こそ異なるものの、Hula Noho(座って踊るフラ)の1ポーズがまったく同じ向きで描かれています。

たまたま店を訪れてこの作品を見たリース氏が、すみやかに店のディスプレイからはずすようオーナーに依頼したのですが、オーナーは拒否。そこで裁判にまで進んでしまった模様です。


下記のリンクでその写真が見られますが、正直、「あ、これ写真を見てデザインをおこしたのかな?」と思ってしまうほどソックリな作品です。でも同時に、フラをやっている人なら、「これはHula Nohoによく出てくる、絵になるポーズの1つ」とも思うはずです。

今回の裁判に反発したのが、ネイティブハワイアンの人たちで、中でもクムフラであり、活動家としても知られるヴィッキー・ホルト・タカミネは、フラのポーズに対する権利を主張することは、ハワイアンに対する侮辱と激怒している模様です。


もしキム・テイラー・リース氏がネイティブハワイアンだったら...あるいは、もしよく似た作品を作ったのが白人だったら、また別の展開があったような気もしないではありませんが、この裁判の行方、とっても気になるところです。(結果が分かったら、またレポートします)


ちなみにIsland Treasuresは、カイルアのマヌヘアリイの隣にあるギャラリー兼ショップで、昨年私もこのお店に行ってるのですが、渦中のステンドグラス、全然気がつかなかったなぁ〜…今も店に飾られているそうなので、マヌヘアリイに行く方はぜひ現物をご覧になってきてください。


●キム・テイラー・リースの公式サイト


英語のニュースソースはこちら



11/5 追加

(裁判について双方がコメントする、テレビのニュース映像が見られます。キム・テイラー・リース氏の奥さんもハワイ系の血を引くフラダンサーで、当然彼をサポートしているのですが、アーティスト側もハワイ系で自身もフラを踊る人です。でも、フラをテーマにした写真を撮っている写真家として、ハワイアンコミュニティに大きな力を持っている、ヴィクトリア・ホルト・タカミネ氏、他のハワイアンたちを怒らせるような訴えを起こしてしまったことは、リース氏にとって大きなマイナスになるのではないかと心配です。ho'oponoponoじゃないけれど、双方が納得する形で、うまくおさまればいいのだけれど…)


http://www.khnl.com/Global/story.asp?S=5628631