Holo Mai Pele〜ホロマイペレ

Holo Mai Pele


ハーラウ・オ・ケクヒ*1が最近、日本でホロ・マイ・ペレ(Holo Mai Pele=Pele Travels)公演を行いました。


私はこの作品は舞台で見ておらず、DVDで見ただけなのですが、これカヒコ好きには、そうとうたまらない舞台だったと思います。
昨年マウイで、同じくカナカオレ姉妹がプロデュースした、オリだけの舞台を見たのですが、それも秀逸でした。


英語の解説すらなく、ただただひたすら2時間ハワイ語の舞台。
いつかオリやメレをハワイ語で理解したい!そう思ったのが、ハワイ語を本格的に勉強しようと決心したきっかけでした。
生で聞いて、単語だけでなく、ストーリーが理解できるまでには10年くらい(涙)かかりそうですが、気長に勉強は続けたいと思います。


この作品は、1995年にマウイで初演されたもので、女神ペレと妹ヒイアカの関係を全編フラとハワイ語のチャント(Mele Oli)で綴った作品です。ペレと妹のヒイアカ*2は、ペレの姉のナマカオカハイに追い出され、遠いタヒチ(カヒキ)からハワイへ渡り、安住の地を求めて旅をし、ハワイ島のキーラウエア、ハレマウマウにたどりつきます。


ペレは、カウアイ島の男性、ロヒアウに恋をし、ヒイアカをカウアイ島に送ってロヒアウを連れてくるように命令します。ヒイアカは、その命令に従うかわりに、大事にしているオヒアの森の世話をペレに任せます。ヒイアカは、さまざまな苦難を乗り越え、カウアイ島につくのですが、ロヒアウに恋心を抱くようになってしまいます。


ペレはそれに気が付き、ヒイアカが愛したものすべて、ロヒアウ、オヒアの森などを怒りの炎で焼き尽くしてしまいました。それを受けて、ヒイアカは姉のペレに立ち向かい戦います。この戦いは、現在でも続いて
おり、火山が噴火すると、燃えたぎる溶岩(=ペレ)が植物などの生命を奪うのですが、その後そこには新たな生命を象徴するオヒア(=ヒイアカ)が生えてきます。
いわば破壊と再生はたがいに背中合わせで、きってもきれない深い関係にある、それがペレとヒイアカの関係なのではないかと思います。


●ストーリー


ヒイアカはパウパライ、そしてワヒネオマオを旅の供に旅に出ます。巨大な爬虫類に襲われ、ペレと他の神々に救いを求め、最後には敵を倒します。次に一行はオアフへ。そこでは生命を作り出す女神として、アヴァという飲み物で歓待されます。
ヒイアカは、カウアイ島をのぞむ崖のふちに立ち、自分に課された旅の使命をいまいちど思いおこします。そしていよいよヒイアカ一行は、カウアイ島に到着します (Kunihi ka mauna〜という有名なチャントは、この場面で詠唱)。


ヒイアカは、ペレの伝説を守る予言者を探すのですが、家には妻しかおらず、彼女はカパという布をつくる作業の真っ最中です。ヒイアカは家に入る許可を得ようとしますが、彼女はそれを無視し冷淡な態度をとります。その高慢な態度は、ヒイアカの怒りをかいます。


ヒイアカは予言者を見つけ出すのですが、彼の体が不自由になっているのを見て、それを癒します。予言者は、ヒイアカが来たことに敬意を表し、ペレの歴史を織り込んだチャントを詠唱し、島々を渡り歩いた旅、ペレが好きなもの、嫌いなもの、彼女の強さ、弱さについて語ります。


そして予言者はロヒアウがすでに故人であること、ペレに恋焦がれる気持ちの強さのあまり、亡くなってしまったことをヒイアカに告げます。海に面した洞窟の中で、ヒイアカはロヒアウの死体を見つけます。


彼女は力強く神々に祈りを捧げ、薬草と聖水を使い、ロヒアウの魂を体に戻すことに成功します。しかし、この儀式を行うためにヒイアカは体力をひどく消耗してしまいます。


ヒイアカ、ワヒネオマオ、そして生き返ったロヒアウは、ハワイ島へ戻る旅に出ます。途中でオアフに立ち寄り、そこで一行はキル=kiluという儀式に招待されます。このキルという儀式は、生命の誕生を促進するために行われる、求婚ゲームで、ヒイアカは欲望にあらがうことができず、ロヒアウと愛を交わす夢を見てしまいます。


一方、ペレはヒイアカとロヒアウの帰りを待ちわび、だんだんいらだってきます。そして彼らがすでに愛を交わしたと思い込み、ヒイアカが大事にしていたレフアの森を焼き払ってしまいます。


ヒイアカは燃え尽き、灰になってしまった大事な森を見て激怒し、抑えていた気持ちをといて、ついにロヒアウと愛を交わします。ヒイアカは、持てる力のすべてを使い、ペレに戦いを挑みます。ヒイアカの力は巨大で、ペレの弱点を攻撃します。


しかし、ペレを倒すことは、大地の創造をストップさせてしまうことにつながるため、年上の神々たちが二人の戦いを止めさせます。ヒイアカは、いまや自分が姉のペレと同じくらいの強さを持ち、神々の一人としての座を得たことに気付きます。


公演を見て気に入った方にオススメです。


ハワイで購入したのですが、なんと最初から日英バイリンガル仕様で、リージョンフリーなのでどこの国のデッキでも再生可能です。

Holo Mai Pele
Halau O Kekuhi

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●参考URL
http://www.pbs.org/wnet/gperf/shows/holomaipele/story.html


●プログラム英語解説がダウンロードできます(PDF) 

http://www.edithkanakaolefoundation.org/halau/holo_mai_pele.htm


●超オススメサイト!ビデオ、チャントの歌詞も掲載http://www.piccom.org/holomaipele/index.html

*1:7世代に渡ってフラを世襲してきたハワイでも最も伝統のあるハーラウ。ナーラニ・カナカオレとプアラニ・カナカオレ・カナヘレ姉妹がクム

*2:卵の状態で生まれ、ペレが温めることによって生まれたため、ヒイアカ・イ・オ・カ・ポリオ・ペレ=Hi'iaka i ka poli o peleの別名があります。ハワイ語の意味は、ペレの胸に抱かれたヒイアカ。実はペレには、ヒイアカではじまる妹たちが12人いるそうなんですが、ヒイアカといえば、通常、最も年下で最愛のこの妹のことを指します