コンファレンス第一日目(月曜日)


今週から超ハードスケジュールでコンファレンスがスタートです。
なにがハードかというと、朝は7時15分から、4時半まで、ランチの1時間半をのぞいて、クラスがあり、その後は夕方6時半頃から夜9時まで毎日パフォーマンス見学の予定が組まれているからで、すべてが終了して、家にたどりつくと、もう夜10時過ぎ。今回は、カイルアのバケーションレンタルを5人で借りているので、キッチンがついていたり、洗濯&乾燥機がついているのはありがたいのですが、家についてシャワーを交代であびていると、もうあっという間に深夜12時過ぎになってしまいます。


朝7時15分からは、サニー・チンによるハキキノ(フラのベーシックステップやストレッチでウォーミングアップ)と金曜日のクロージングセレモニーに向けての練習で、「He Ola(ヘ・オラ)」という、曲を習いました。この曲は、有名な古典の1つである、アウアイア('Au'a 'Ia)に似ているので、振りを覚えるのは楽だったのですが、踊りと一緒に唱えるチャントがよく聞き取れず苦労しました。この後、マヌ・ボイド、ロノ・パディラ、タウポウリ・タンガロの3人がオープニングのオリをし(この時フラッシュをたいて写真をとっている人が多く…。)、主催者である、ホークーラニ・ホルト・パディラ、プアラニ・カナカオレ、レイナーアラ・カラマ・ハイネが挨拶をしました。


10時になり、いよいよクラス開始。初日の私のクラスは、1つ目はホークーラニ・ホルト・パディラ(マウイのクムで今回のカンファレンスの主催者の一人)の年の離れた妹、ウララニの「森」についての講義。チャントを通して、なぜハワイアンにとって森が神聖なものなのか、ラカとは…についてのレクチャーです。4年前は、フラのクラスをたくさんとっていたのですが、今回のカンファレンスではフラのクラスは極力とらないようにしました。というのは、フラのクラスは普段学ぶことができない高名なクムに出会い、話を聞くことができる良いチャンスなのですが、フラのワークだとどうしても振りを覚えるのが中心になってしまうので、今回はそれ以外の文化や精神的なものを学びたかったからです。といっても、前回マウイで教えを受けた中には、その後亡くなってしまったジョン・ケオラ・レイクさんのような方もいらっしゃるので、彼の叩くパフドラムでフラパフを教えていただけたのは、今となっては貴重な経験です。


ランチをはさんで2つ目は、私が今回とる唯一のフラのクラス、ケアリイ・レイシェルのアウアナ「Mele a ka pu'uwai」(メレ・ア・カ・プウワイって日本のCDでは書いてあるけれど、ハワイでの一般亭な読み方はメレ・ア・カ・プウヴァイだと思う)です。このブログを以前から読んでくださっている方はご存知と思いますが、(私はご本人に会った時は写真もサインも頼まないし、猫をかぶってごく普通のおとなし〜い生徒を装っていますが)実はめちゃめちゃ大ファンで、このクラスは今回一番楽しみにしていたクラスの1つです。ケアリイのクラスはやっぱり人気が高く、会場は広い体育館、ケアヴェ・ジム↓で、参加者も100名以上。

まずは曲説明から。
この曲を作ったのは、ブランドン・イリアヒ・パレデス(Brandon `Iliahi Paredes)さんで現在は独立して元ケアリイのハーラウにいたジョイ(ハウナニ)さんと一緒にハーラウ、Halau Kekuaokala`au`ala`iliahiをマウイで開いている人ですが、彼がUH(ハワイ大学)のロースクールの生徒だった時に、お世話になった恩師、Joanne Punuさんのために書いた曲です。1番、2番と、歌詞の説明があり、ハワイ語の比喩も解説してくれたことで、よりこの曲の美しさが伝わってきます。歌詞を知らないとラブソング?と思ってしまうかもしれませんが、そんなわけでこれはお世話になった恩師に向けた、いわば「贈る言葉」のような感謝の気持を込めた曲です。


私が普段行っているハーラウのスタイルは、いわゆる3カウントカホロで、タップがないのが特徴ですが、ケアリイいわく「振りは忘れてしまうかもしれないけれど、こういうワークショップに参加することの意義の1つは、それぞれのハーラウのベーシックの違いを学ぶことでもある。だから、できるだけヘノ(アラカイとしてケアリイとステージに立った、2009ミスアロハフラのダンサー)のステップをまねして」というので、久々にタップにチャレンジ。それぞれの振りは、そのハーラウのベーシックスタイルを基盤にして作られたものなので、それをしっかり取り込んでいないと、本来の美しさが出ないのはよく分かっているんですが、タップ、む、むずかしい…


それにしても目の前で見る、ミスアロハフラのフラは、やっぱり本当に素敵です。普通はあれだけ体が大きいと、体重に見合った筋肉がついてない限り、動きがにぶかったり、なめらかに踊れなかったりすると思うのですが、小さい頃からフラをやっているヘノはフラ筋がしっかりしているから(そのせいでももがパンパンでジーンズがはけないと本人談)、インナーマッスルをしっかり使うスローな動きでも、よどみのない流れるような動きができるのではないでしょうか。


以前、ハーラウ・イ・カ・ヴェーキウやカウマカイヴァ・カナカオレのアウアナのクラスをとった時は、あまりに動きのパターンが違い、それでかなりとまどったのですが、「Mele a ka pu'uwai」はクラシックなモーションも多く、うちのハーラウとどこか似たところもあるようで、違和感がなかったのが、ちょっと自分でもびっくりしました。


予定では、1時半から4時半までみっちり3時間習える予定だったのですが、カメハメハスクール側の都合で4時までに短縮されてしまい、最後かなり「巻き」が入っていたのですが、踊っていて「楽しい〜!」と思えるクラスでした。


ちなみに今回ケアリイはちょっとこんな一言をいっていました。
「今回僕は、クムとしてここにきているので写真は遠慮してください。ミュージシャンとしてのケアリイ・レイシェルはもう少し愛想がいいけれど、今ここにいるのはクムのケアリイ・レイシェルであり、クムとしての僕は愛想があんまりよくありません。ここに来ている目的は、フラの文化の継承に役立ちたいからで、そのことを分かってください」
(録音とかとっていないので、こんなニュアンスということで)

後で他のフラシスターに聞いた話によると、ケアリイが構内を歩いていたら、日本人のファンに何度も取り囲まれ、そのたびに写真を断っていたそうです。ミュージシャンとしてはトップクラスですが、ケアリイはハワイのフラ界では、まだまだ中堅といった存在で、他にももっと高名な超大御所のクムが大勢きている中、自分一人、ファンにとりかこまれたりするのはバツが悪いというのも理由の1つかもしれません。そして、そもそも、ハワイでは「クム」にサインや写真をねだるという習慣があまりなく、そういうミーハーな行動はつつしむべきという雰囲気もあります。ちなみに同じ頃、ワイキキを歩いているケアリイにばったり会った知人は、ちゃっかりサインも写真もすんなりOKだったそうで、やっぱり場所によって、ということでしょうか。


曲はこれ