おめでとう!アンクル・ジョージ

aloha_mode2006-06-17



うれしいニュースが入ってきました。
アンクル・ジョージとして親しまれている、マスタークムフラのジョージ・ナオペ(George Lanakilakeikiahiali`i Na`ope)氏が、今年5月のナーホークー・ハノハノでのLifetime Achievement 賞に続き、The National Endowment for the Artsからフォークアート部門の最高位である、National Heritage Fellowship awardを授与されました。


今回受賞したのは全米の異なる芸術の分野で活躍する人々。ネイティブ・アメリカンストーリーテラーや、ブルー・グラスのシンガー、ピアニストなど11人のうちの一人として、アンクルが選出されました。
2万ドル(約200万円)の賞金付です。今年9月にアメリカの首都、ワシントンDCで行われる式典にも出席される予定です。


アンクル・ジョージは、1928年2月25日オアフ島カリヒ生まれ。フラを始めたのはハワイ島ヒロに住んでいた3歳の時で、最初の師は曾祖母メアリ・マリアプカオカラニ・ナオペ(Mary Malia-Pukaokalani Naope)さん。4歳の時にメアリ・カナエレ(Mary Kanaele 1900-1955)というイーディス・カナカオレさんのお母さんに師事し、再びオアフに戻った後、10年間、ジョセフ・イララオレ(Joseph Ilala'ole)に師事。この他、Antone Kao'o、Iolani Luahine、Lokalia Montgomery、Annie Hall 、Jennie Wilsonなどの人たちからフラを習い、Tom Hiona(トム・ヒオナ氏は、クムフラ、ジョージ・ホロカイさんの師でもある。Tom Kaulaheaonamoku Hiona 1915-1968)からウニキの儀式を得てクムフラになりました。家が貧しかったため、学費の足しにと、週に50セントの授業料で13歳の時に、はじめてフラを人に教え始めたそうです。1963年にヒロの町おこしイベントとして、メリーモナーク・フェスティバルを立ち上げたことで知られています。


最近とあるフラのメーリングリストで、ハワイ系の人と白人の人がとてもネガティブな意見を戦わせており、すごく嫌な気分になりました。最初は誰かが、あるフラソングのことをDirty Song(Hな曲)といいはじめたことが原因で、ハワイ系の人たちが「だからハオレ(白人)はダメなんだ。ハワイの文化では、セックスも含めた愛の表現は決して汚い、みだらなことではない。そんなことも分かってない人が、フラを人に教えるな」みたいなことになり、その後、もうえんえんと誰のハワイ語が間違ってるとか、キャプテンクックの時代がどうとか、逆人種差別だとか、もうドロドロの泥沼状態。


正直いって、「だからハオレは…」みたいなイメージを持ってるハワイ系の人、ロコにけっこう多いです。でも、ほとんどのクムフラたちは、フラを非ハワイ人にもシェアすることは、最終的には自分たちの文化を守ることにもつながると分かっており、白人であろうが、アジア系であろうが、人種のこだわりなく、本気でフラをやりたいと思う人には門戸を開いているように思います。今回受賞したアンクル・ジョージも、人種の差別なくフラを教えるクムフラの一人です。


そうはいっても、やはり私はフラはハワイ人のものだと思っているので、たとえば儀式はもちろん、ワークショップなどでも、ハワイ人が優先されるべきで、非ハワイ人はどんなにフラがうまくても、彼らの前に出るようなでしゃばったまねはすべきではないと思います(たま〜にどんどん前に出ちゃおうとする人がいるので、びっくりします)。


このメーリングリストの発言を読んでいて、あらためてなぜ自分はフラがやりたいんだろうとすごく考えてしまいました。どんなにハワイが好きでフラが好きで、ハワイ語を一生懸命学んでいても、しょせん自分は日本人。フラは他の趣味と違って、はっきりいって、キャリアにもならないし、ただもう好きだからやるとしかいいようのない趣味です。と、そんなことをもんもんと1週間くらい考えつづけていたところに、アンクルの受賞の記事を見て、それをきっかけに、彼の言葉がのっているHPも見つけました。


"I want to share because if we don't share these dances, they are going to die. My students are all different races but when they dance, I know they're Hawaiian."

(私はフラを人々とシェアしたい。なぜならこれらのダンスをシェアしなかったら、それは失われてしまうから。私の生徒にはさまざまな人種の人がいる。でも、私はフラを踊る時、彼らがハワイ人になるのを知っている)


ありがとう。アンクル。



7.16.06追記
ミクシイで知り合いになったナギサのヒトシさんのご厚意で、ヒトシさん撮影のお写真をお借りすることができました。ありがとうございます。写真は、宮城県石巻市にあるヒトシさんのお店、「シャカハワイ」にアンクルが来店された時に撮影されたものです。なんと上記の発表があった頃、アンクルは日本滞在中だったのです。
買い物好きのアンクル、長袖のアロハシャツ2枚、鯨の電動灰皿などもろもろの品々をお買い上げになったそうです。 「シャカハワイ」さんのサイトはこちら。ウェブショップで、いろんな商品がチェックできます。US在住の私も欲しい〜!と思うような、ナイスなグッズ満載です。