竹のスタンプ

aloha_mode2007-06-01



先日フラシスターたちと竹のスタンプ(ʻohe kāpala。オヘ・カーパラ)作りを体験しました。
フラシスターの一人が近所の家にある竹やぶから生の竹を何本かもらってきて、それをのこぎりで切り、そこからまた1本30センチくらいのものを上から6つに割って竹のヘラを用意します。
そして竹のヘラの表面を削ってなめらかにし、その平らな部分に彫刻刀でデザインを彫っていきます。
竹のヘラはどこかクラフトショップでも売ってそうな感じですが、それをこんな風に最初から手作りするのが、いかにもハワイアンな感じです。


デザインの参考にしたのは、ハワイのタトゥー。日本の龍や桜吹雪のような刺青とはちょっと違い、プリミティブな白(肌色)と黒(墨)だけのデザインです。たとえばクムフラのフランク・カヴァイカプオカラニ・ヒューエットさんも全員にタトゥーをされていますが、ハワイアンの間では、自分の出自をあらわすオハナにまつわるデザインを使っていることが多いです。たとえばサメが自分のアウマークア(ʻaumākua。ご先祖の化身で家族の守り神)という人は、タトゥーにもサメの歯をあらわすデザインを彫っていたりします。


ちなみに信心深いハワイアンの中には、自分のアウマークアをむやみに人に教えないという人
もいますので、あまり気軽に聞かないように注意。
デザインには、この他、ハワイの波や海をあらわす模様、植物をあらわす模様などさまざまなものがあり、よく見かけるデザインもあれば、その家族しか使ってはいけないようなプライベートなものもあるそうです。


日本の刺青と違い、非常に信仰やスピリチュアルな意味合いが強い場合もあるので、他の人が使っているデザインを参考にするのはOKですが、それをコピーするのはカプ(タブー)です。


「世の中のすべてのことには意味がある」というのは、すごくハワイアン的な考え方ですが、たとえばメリーモナークのカヒコの衣装などに使われるデザインも、それぞれ意味があります。多くのハーラウは、生地を植物などを使って自分たちで生地を染めて、そしてそれに手作りのスタンプで模様をつけるのですが、一人一人自分のバックグラウンド(さきほどのアウマークアなど)を表す模様をつけたり、またはハーラウ共通で何か意味のあるデザインを考えたり(たとえばチームが18人だとしたら、18本の線を引く)などします。


私のスタンプはまだ完成していないのですが、おそらくlei hulu(フェザーレイメイキング)に関係のあるデザインにする予定です。今後、無漂白の生地に自分たちで染付けをし、その上にスタンプを押して生地を完成させます。


★参考サイト

スターブルティン紙の記事
http://starbulletin.com/96/07/08/features/story1.html


レイアロハ・リム・アミナさんの衣装
http://www.elishina.jp/customer/contents/top/life0605_02.asp

●クム、ヒューエットさんのタトゥーに関しては、↓下記の本↓に詳しく書かれています。
私が持っている、日本語で書かれたハワイ文化関連本の中ではもっともオススメの1冊です。


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