nona beamer

aloha_mode2007-03-02


地元の図書館で、思いがけずこんな本を見つけました。タイトルは、「Talking Story With Nona Beamer」あのノナ・ビーマー*1が書いた子供向けの本で、ハワイの自然、古い伝説などが読みやすく書かれています。


以下は本の中に出てきたレフアの木にまつわる話。


昔、小さなレフアの木がありました。
他の木は見事な花を咲かせているのにその木には葉がほとんどなく、しおれたみじめな姿をしていました。
なぜ自分だけこんな姿なんだろう、他の木みたいにきれいになりたいと、毎晩泣きながら眠りについていました。

ある静かな満月の晩、メネフネたちが森にやってきました。
そしてかわいそうなレフアの木に、
なぜそんなに悲しいのかとたずねました。

その晩、木が眠りについた後、メネフネはぐるっと木を取り囲んで、祈りました。
そして翌朝、木が目覚めると
なんと小さなレフアの木は、金色の花をつけて光り輝いていたのです。

そばにはメネフネの足跡がありました。
そんなわけで、今でも金色のレフアはハワイで最も美しいといわれているのです。


もう1つ興味深いなと思ったのは、初めてカプが破られた時の話。


カメハメハ大王がahu'ena Kamakahonu(カイルナコナ)で1819年に死んだ時、カアフマヌ女王(Ka'ahumanu)が古いカプを捨てることを発表し、人々は驚愕しました。しかし彼女は、すでに当時最高の地位にあった僧のヘバヘバ(Hewahewa)を説得していたので、人々はしかたなく女王に従う他ありませんでした。

ハワイには食事のカプ('ai kapu)といって、男と女が一緒に食事をしてはいけないという伝統的なカプがありました。しかしこれがカアフマヌ女王にとって破られ、人々は妻と夫が一緒に食事する楽しさをはじめて知りました。しかし、人々は心の中ではやはり神をおそれていました。

カメハメハ王の信頼もあつく、戦いの神、クーカイモク(Ku-ka-'ilimoku)の守護をまかされていたケクアオカラニ(kekuaokalani)はハワイの神を深く信じていた一人です。
しかしある日、カアフマヌ女王は神殿と神の像のついたすべてのものを取り壊すよう使者をよこしました。

神を信じていたケクアオカラニは、命令にそむいて神の像を洞窟の奥深くに隠しました。

そしてクアモオ コナ(kuamo'o kona)でカアフマヌの軍と、神を信じるケクアオカラニたちとの間で戦いがおこり、ケクアオカラニは命を落としました。
彼が亡くなった時、どこからともなくチャントが聞こえてきました。

チャントの歌声は、kou aloha la ea。「愛がすべてを正しくする(正しい方向へ導く)」というものでした。

彼が死んだ同じ年、1819年にリホリホ(2世)が即位し、王座につきました。
彼はハワイの人々を心から愛していたので、先の戦いでとらえられた人を解放し、自ら村に出向いて武力ではなく、話をして理解しあうことにしました。
愛には古い神も新しい神もありません。1つの普遍的な愛が再びハワイの人々を1つにしたのです。

ノナは、子供の頃祖母のヘレン・デシャ・ビーマーからフラとハワイの文化について習ったそうです。


普通レフアの花というと、赤というイメージがあるのですが、金色のレフアも存在します。
ハワインバンド、ホオケナのLei pulamahiaというCDのカバーで女性の髪飾りに使われているのがそれです。一見、黄色なのですが、その色加減が「黄金」ということなんでしょうね。レフアには赤、黄色、オレンジ、そして白があるそうですが、赤以外は私はまだ見たことがありません。

*1:彼女についてはまた別の機会に詳しく書きます。ハワイの素晴らしいクプナです