自分を幸せにする仕事


ここ数年、なんの因果かインターネット業界で
働いている私。でも、日本にいた時、そして
アメリカにきた当初は、雑誌のライターだった。
今朝、最近通っている針治療のクリニックで
ベッドに横たわりながら、ぼんやりと考えていた。
自分の人生で何が楽しい仕事だったかなぁって。
で、思い出すはライターだった時代のこと。
仕事自体はいつも締め切りに終われ大変
だったけれど、それでも人に会って話を聞く
という機会に恵まれたことは、仕事を超えての
喜びだった。

フリーランスだった時は、ジャンルにかかわらず
様々な出会いがあった。心理学者に建築家、
北海道の中学生、旅館のおばちゃん、芸能人。
会社社長、オーボエ奏者、オペラ歌手、高校の教師
といろんな人にいろんな取材で出会う。
ふだんは聞けないような話を聞き、それぞれの
仕事場をのぞく。毎日が新しい人との出会いで
好奇心旺盛な私は、どんな人のどんな話を
聞いても興味深く、「お〜これこそ天職」
とはじめて思った。

ロサンゼルスのローカル向け日本語雑誌の仕事で
労働ビザを取得し、アメリカにきて2年働いた後
その仕事をやめた。でも日本のように、出版物が
多数あるわけではなく、また「現地ライター」
というジャンルでは、限られた観光分野の仕事しか
ないため、別に本業を持ちながら細々とライター
を続けることにした。

仕事と家の往復が主な今は、めったに新しい
人との出会いがないが、たとえ誰かに出会っても
取材ではないから、根掘り葉掘り聞けるわけではない。
わずか30分〜1時間の間に、その人の人生の
ハイライトを聞くことができたライターという仕事は
何度思い返しても、本当に楽しい仕事だったな。