続アメリカ不況事情


知り合いの会社(日系企業)が業務停止を決定。
1ヶ月ほど前に電話がかかってきた時に、
「そういえば、友達がレイオフされそうなんだけど
そういう時失業保険ってどうやってもらうの?」と聞かれた。

これはうちの主人がレイオフされたことを話したからだったんだけど、
なんとその後、「友達が」ではなく「彼本人」が業務停止による
レイオフだということがわかった。

彼とは前の会社で一緒に働いていたんだけど、30ウン歳で子持ち。
今年はそろそろ家を買おうかなという矢先だったので、
ほんとご愁傷様です。


とはいえ、アメリカでは本当にレイオフ、倒産は日常茶飯事なので
落ち込んでる暇はない。というか、落ち込んでいる人も
あまりいない。

さっさとアクションを起こさねば、どうにもならないのである。
私は日本で失業保険をもらったことがあるんだけれど
日本と違い、アメリカでは自己理由による退社では
失業保険はもらえない。しかも、彼のように会社側の
都合でレイオフとなっても、日本と比較すると
さらに低い金額の保険金しかもらえない。
それまでの生活を維持するには、一刻も早く
新しい仕事をゲットするしかないのだ。

彼の場合、すでにグリーンカード保持者なので
比較的仕事は探しやすいと思うが(英語があまりできないのは
難点だけど)、これがH1という期限つきの労働ビザで
働いていた人の場合はもっと悲惨だ。

たしか60日以内に新しい雇用主を見つけて、ビザのスポンサーとなって
もらわないと、在米資格がなくなり、「不法滞在者」となってしまう。

閑話休題
余談だが、「進ぬ電波少年」で華原朋美ちゃんがアメリカでバイトしながら
全米歌手デビュー!という企画があったが、こういう実際は不可能な
ことをあたかもできるように宣伝するのはやめてほしい。

というのは、アメリカでは労働許可証なしに一切の労働をするのは
法律違反だからだ。そして、この労働許可を取得するのが非常に
難しい。数多くの書類を移民局に提出し、弁護士に依頼し、さらに
数ヶ月待ってようやく労働許可が取得できる。しかも、申請したからといって
必ずしも取得できるわけではない。学歴や職歴が考慮され、さらに
アメリカ国内で雇用主がすでに決まっている(雇用主=ビザスポンサーになる)
場合にのみ、労働許可が発給される。

貧乏旅行で途中でお金がなくなったらバイトする、親の仕送りが少ないから
留学しながらバイトする

これらはすべて「犯罪」なのである。
見つかったら当然、即刻国外退去で、しかも一定期間、アメリカへの
入国が一切許可されなくなる。

こういう事情をちゃんとわかってるのか、わかってないのか、
日本のテレビは軽々しく「朋ちゃんのバイト」を放送してしまったことに
あぁまたか!と思う。
閑話休題おわり>

先のグリーンカード保持者の友人は、LA在住が長く、営業の仕事を
していた人なので、おそらく仕事はなんとか見つかることだと思う。
問題は、H1所持者の女の子の方。
H1は6年有効だが、すでに半分以上使い果たしてしまっているので
これから雇ったとしても、働ける年数は限られている。

もしこれが私だったら?
そうなったら就職活動するまでもなく
日本に喜んで帰国する。でも彼女は、「あくまで米国」にこだわる
人なので、なんとしても仕事を見つけたいらしい。

結婚により、まんまと労働許可を手に入れてしまった私は
ラッキーなんだろうけれど
世の中なかなかバランスよく
うまくいかないもんです。