アメリカ・インターネット・不況


掲示板にも書いたことなので、知ってる人は知っていることだけれど、
先日、うちの主人が失業した。
年末から正月過ぎにかけて、2週間日本に帰国したのだけどが、
その直前に、主人の会社が「今年の冬の売上は予定の3分の1にしかならなかった」と発表。
で、帰国してみたら、Fedexの分厚い封筒が届いていて
そのままレイオフでした。
発表の後、社内で「ついにレイオフか?」の噂がとびかっていたんで
日本に行く前に机の整理をして出発。
まさに、その通りになってしまったわけです。

赤字経営が当然のインターネット企業では、3年から5年かけて会社を作り上げ、
長期計画で黒字にしていくというのがほとんどの会社のプランだったわけだけど、
昨年春のマーケットクラッシュで、こういった企業に対する投資家が激減した。

第2、第3期の投資を見こんでいた、インターネット会社はことごとく
あてがはずれ、garden.com, eve.com, pets.com, reel.comと有望な会社が
見事に消えていった。

うちの主人の働いていた会社は、idealabというアメリカ屈指のインキュベーターが初期投資を行い、
おととしまでは「最も期待されるEコマース」といわれていたうちの1つで、
株式公開時は、それは大騒ぎになったものだった。

なにが敗因か?マーケットクラッシュはその最も大きな一因だけれど、
結局は投資家の期待と、実際のEコマースの現状に
大きな差がありすぎたのが、実情なのでは?
と、就職から2年半の業界の動向を見てきた私はふと思う。

インターネットは人々の生活を変えた。
しかし、消費生活はそれほど変えることができなかった。

たしかにインターネットは便利。でも、中身をあけてみることのできない
ビデオや視聴のできないCD以外は、ほとんどの人は
店頭で手にとって商品を買いたいと思うのが普通だ。

結局のところ、インターネットの便利さは、既存の商売方法に
はかなわなかったのだと思う。

日本ではまだまだ、猫も杓子もインターネットで、
特に女性誌では「あなたにもできるインターネットショップ」
「ネットで夢の雑貨屋を経営!」
なんて企画が流行っており、SOHO希望者には受けている
ようだけれど、これもいつまで続くのか。

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ちなみに私自身は、ポータルサイトで働いていたこともあるんだけれど、
Eコマース以上にこれはダメです。
バナーで稼ごうなんていう、ビジネスモデルはもう最悪です。
よほど人気のニュースサイトやヤフーでもない限り、誰もバナーなんて
買ってくれません。しかも、最近はネット利用者も
賢くなってるから、誰もバナーなんてクリックしません。

というわけで、アメリカのネット業界、めちゃめちゃ不況です。
あぁどっからかいい仕事やってこないかなぁ。
お掃除、洗濯してくれるのはうれしいんだけど、かわいそうだよ、やっぱ。


追記:ダンナが働いていたのは、アメリカのネット企業の中でも当時
ものすごく注目度が高かった、etoys.comという会社(今はもとの会社は
ないのですが、ブランドは他社に売り渡して営業しているみたいです)。
自社株でほんの少しもうけさせてもらって、今住んでいる家の頭金が手に入ったことと、
会社のCMにIZ(イズラエル・カマカヴィヴォオレ)が使われていたことで、
私がIZの音楽を知るようになり、その後フラを習うきっかけにもなったので
人生、何がどう影響するか分かりません。