time capsule

そしてついに、その日がきてしまったのです。
年賀状に混ざって、きれいな絵入りの透明ビニール袋に入れられて配達された
15年前の自分から21世紀の自分への手紙。
その頃好きだった淡いブルーのレターセット。
今よりずっときれいな字で、書かれた封筒の文字。

おそるおそる開けてみた。その中身は、今の自分にとっては
これ自分が書いたの?というくらいわけのわからない内容でした。
その頃好きだったクラシックピアノに関する想い。同様にその頃好きだった
詩人、中原中也やその他の詩人の話。

そしてその頃好きだった、佐々木★統という男の子に関するあれこれ。
不可解な気持ちの中で、どこか一瞬昔の自分にタイムスリップするような
妙な気持ちを味わいました。

さて、これが届いたということはどういうことかというと、この
佐々木★統君という男の子のもとへも、同様の「妙な手紙」が届いたであろうという
ことです。たしか、この佐々木君と、当時の親友だった大辻さんにも
出したはず。大辻さんとは今でも連絡をとっているので、後で電話してみようと
思うのですが、こわいのは佐々木君の方。

これってめちゃめちゃ片思いだったし、今思うとストーカー状態で、彼の下校する
時間をみはからって自分も一緒に帰ったり、待ち伏せしたり。
はっきりいってアヤシイ人でした。
去年、て、もう一昨年か。結婚しちゃった私だけれど、いまだに
当時のプラトニックな想いをひきずっていて、時々夢にみちゃうくらい
純粋に好きだった。きっと今会っても、好きにはならないけれど
なにがあっても当時の思いは変わらない、そんな不思議な気持ちが今も残っています。

その佐々木君への手紙、やっぱり彼にもこのファンシー(!)なパッケージで
届いてしまったのかな。実は何年も前から、この日がくるのを恐れていて
事前に手紙を出して「もし届いたら開封せずに返送してください」って
お願いしようかと思っていたくらい。

ほんと、どうなってるのかな。きっと珍しい郵便物だけに家族でまわしよみ
かなんかされちゃってたりして(恥)。

何年か後の同窓会では、「いい女」になって
出会いたいなぁと思っていた、はかないのぞみもこれでパー。

そんなわけで、昨日はこのことを考えてなかなか眠れなかったんだけど、
こういうどうしょうもない話をえんえんと聞いてくれる「主人」と
会えてよかったなと、ちょっとのろけてみたりして。