添乗員はつらいよ


先週の週末、日本で添乗員をしている友人が
遊びにきた。ブラジルに1ヶ月ほど滞在した後、
うちに週末だけやってきて帰っていきました。
短大時代からの長年の友だちだけど、さすがこれだけ
タップリ話をする時間があったのは久しぶりなので、
いろんな話が聞けて面白かった。

最初はあちこち外国に行ける(彼女は英語、中国語、
スペイン語ポルトガル語ができる)ということで、
添乗員の仕事を気に入っていたんだけど、
さすがに最近はストレスたまっているらしく、
あんなお客さんがいた、こんなお客さんがいた
というぶちまけ話を聞いた。

添乗員の仕事は、派遣でやっているので各種の
旅行社の仕事がやってくる。でも、サイテーな
客が多いのは、すごく高級なツアーと、すごく激安
なツアーの両極端にわかれるらしい。
高級なツアーは、傲慢な客が多く、しかも
「これだけ払っているんだからもっとサービスしろ」
という態度。で、激安ツアーはその手のツアーに
参加するお客らしく、非常にセコイ人が多いとのこと。

最近転職しようかと悩んでいるというので、なぜ?
と聞くと、お客さんと接するのが最近つらいという。
たとえばどんな人がいるかというと…

ツアー中にドイツかどこかのヨーロッパの街で、
昼食時間(自由行動)にビールを軽く一杯飲んだら
「仕事中に添乗員がビールを飲むのはけしからん、
その後ずっと気分が悪くなったから、ツアー料金を
半額返せ!」と行ってきたり、
まったく身に覚えのないところで
「添乗員に嫌味をいわれて傷ついた」だのいってくる
人もいるという。
また、中国や南米ではホテルといえども、
シャワーしかないところも多い。時にはツアー客の
一部はバス付で、一部はシャワーのみという部屋に
なったりもする。そうすると、またしても
差別だのなんだのと、文句たらたらになってしまう
というのだ。
さらに究極なのは、「高いツアー代金とって、自分たちの
金で添乗員が旅行を楽しんでいるのは許せない」
なんていう人もいるのだそう。
また、文句をいう人はすべてに対して文句をいわなくては
気がすまないそうで、そういう人が
「なんだよ、この食事まずいなー」なんて
いってしまったりすると、美味しいと思って食べていた
人までがまずいと思い始めたりするのだそう。
(こういう人のことを英語ではwet blanketという)

聞いていて、はたでみるより、はるかに
大変な仕事なのだなと思った。

ちなみにすべてのツアーが最悪なわけではなく、
ツアー中に盛り上げてくれる人がいたりすると、
ツアーがおわるまでには全員が仲良くなり、
帰国した後も写真交換会を開いたりして(彼女も
呼ばれる)
後々まで仲良くなったりすることもあるのだそう。