フリーウェイのexitにて


今日用があってコリアタウンに行った。
10フリーウェイをWesternで降りると、例によって交差点のそばにホームレスがいて、
手を振っている。これは小銭を恵んでくれということ。ロサンゼルスのフリーウェイの
入り口、出口付近は施しをうけようとする、ホームレスにとって最大の稼ぎ場だ。
ロサンゼルス中のあちこちに、こうしたホームレスが日がな一日たむろしており、
「spare change」「Hungry」などと書かれた段ボールの切れ端をかかえて立っている。
ほとんどは、見るからにホームレスといったなりの人が多いが、中には
なぜこの人が…と思ってしまうような、女性や若者も時々いる。

また、この他に多いのは、ドライバー相手に花やオレンジを売るメキシコ人。
いったい誰が統括しているのか、売っている品は必ず真っ赤なバラの花束か、
ビニール袋に入ったオレンジと相場が決まっている。ロスには
メキシコ系ギャングの大きな組織があるのだが、もしかしたらギャングが総元締め
なのかもしれない。

ちなみに今日私が出会ったのは、新手のホームレス。
信号で車を止めた直後に、体の大きな黒人が寄ってきた。
すかさず窓をロックする。しかし、彼の目的は小銭をただもらうのではなかった。
彼はフロントグラスの目の前に立つと、突然車の窓ガラスを掃除し始めたのだ。

「NO!」と叫び、お金を払う意思がないことを表示すると、彼は
始めた時と同じように、突然止めて、次の車に移った。
こうした、突然何かのサービスをされ、その見返しとしてチップを要求されることは
アメリカでは日常茶飯事だ。

施しを行うべき、という考え方もあるかもしれないが、ああいった状況で財布を片手に
窓を開けるのは危険をともなうこと、また一人一人のホームレス個人に対し小銭をあげることは
決して彼らの社会復帰につながらないということを考えると、やはり拒否せざるを得なかったと思う。

今日はロサンゼルスにあるのは、青い海、輝く太陽だけではない…というお話でした。