フラの植物に関する必携本

先日、イザベラ・アボットさんの講演会がビショップミュージアムで開かれたそうです。
(2月8日付スターブルティン)

0930897625La'au Hawaii: Traditional Hawaiian Uses of Plants
Isabella Aiona Abbott
Bishop Museum Pr 1992-03

by G-Tools


フラと植物は切ってもきれない関係にあり、ハワイの神話では神々はよく植物にその姿を変えます。フラの守り神であるラカやペレ、ヒイアカにはそれぞれ聖なる植物があり、クアフ(神殿)には特定の植物が供えられます。
フラを踊る時は、メレ(歌)の中に出てくる花や、舞台となっている場所によく生えている植物をレイや髪飾りなどにして身にまといます。ハワイの人にとっては、植物はただの植物ではなく、ある時は神に捧げる供え物であり、フラを踊るための必需品であり、そしてまたある時は治療のための薬や布を染めたり道具を作りための素材としても使われました。



こうしたハワイの植物とその役割について書かれたのが、このイザベラ・アボットさんの「Lāʻau Hawaiʻi: Traditional Uses of Plants」(ラーアウ=植物)で、美しい絵と共に詳しい解説を読むことができます。(アボットさんは、2005 年のLiving Tresure of Hawai'i に認定された方で、植物、海草などの専門家です)今回のレクチャーでは、カウイラやハラペペなどの植物が絶滅の危機に瀕していること、伝統的なフラの知識を守るためにも、植物を守ることがいかに重要かということなどを話されたそうです。



フラの世界では、植物は神であり、森はクアフです。聖なる森に入る時は、入場のためのチャントを唱え、植物をとる際は森に許しをこうためにチャントが捧げられます。そうした上で、自然に影響を与えないよう十分注意しながら、本当に必要な量だけを採取します。



近年、自然破壊によって、環境が変わったり、またフラ人口が増えたせいで、ハワイの植物が乱獲されたりして、特にメリーモナークなど大きな大会の期間はかなり深刻な状況だと、以前クムフラ、ミュージシャンのロバート・カジメロ氏がコメントされていました。
フラを踊るためにはハワイの植物がほしい!でも、皆が同じことをしたら、その植物そのものがなくなってしまうかもしれない。とても考えさせられる問題です。



参考記事
http://the.honoluluadvertiser.com/150/sesq6abbott

ハワイの原生植物のデータベース
http://pdcs.ctahr.hawaii.edu:591/hawnprop/FMPro?-db=propsrch.fp3&-lay=data%20entry&-format=search.htm&-view