会社訪問


かねてからこの日記に登場していた「新しい会社」
の面接に行ってきました。朝9時だったのですが、
家からけっこう遠く、交通状況がわからなかったの
で、朝7時半に家を出ました。今働いている会社は
10時出勤で、しかも家から約10分の距離。
新しい会社に移るのであれば、今後は人並みに
早起きしなくてはならないということが、低血圧な
私にとっては、けっこう頭痛の種です。

今の会社は、トレンディなビルの1フロアにオフィスが
あり、かなり快適な環境なのですが、新しい会社は
もっと儲かっているはずなのに、ふるーいビルで
3フロア分、500人が働いています。
というわけで第一印象とっても悪し。
フロアに人がぎっしりで、遊びの空間がなく、
なんだか皆まじめーにコンピュータスクリーンに
向かっている。こういう会社だから伸びるのかもしれ
ませんが、どうもイージーベンチャーインターネット
企業に慣れてしまった私には馴染めそうもありません。

リクルーターがまず30分くらい社内を案内してくれた後、
同僚となるはずの男性二人と面接しました。
そう、アメリカでは上司だけではなく、同僚の面接が
あるのです。これは私も今の会社で経験済なのですが
最初はとっても面食らいました。
日本では、confidential扱いのレジュメが皆に回覧され
その上で面接。日本のように健康状況や家族状況など
を書く必要はないけれど、皆に自分の経歴がわかってしまう
のは、あんまり気分のいいものではない。
でもアメリカでは、レジュメは公のものなので、皆平気で
オンラインにのせている。とにかく、そういうものなのです。

最初に会った男性、フレッド(仮名)は、もう第一印象からし
なにこいつ威張りやがって!という感じ。
人を面接しておいて、「何ができるか」ということより
「何ができないか」をネチネチ探り出そうとするようなタイプ。
これじゃーどんなにいい人材が面接にやってきても
やる気をなくしてしまうはず。
これが上司のインタビューだったら、そういうイジワルな
質問をするのも時には必要かもしれないけれど、同僚の
インタビューは、、そもそも応募者に対し、仕事内容や
会社の雰囲気を説明することが主目的なわけで、
上司も同僚の意見は参考程度にしか聞かない。
だからこいつのやってることは、まさしくエゴな行為なのです。
経歴的には、私よりずっと劣るのに、たぶんこの会社では
もう1年半いるってそれだけで、とっても偉そう。
もしこの会社のオファーを蹴ることになったら、絶対
こいつの悪口言ってやろうと思う。

さてもう一人のアラン(仮名)は、部屋に入ってきた瞬間に
おーこれは友達になれそう!と思ったのだけれど、
実際に話してみて、まさしくその通り。
フレッドが大きな机の反対側にのしっと座ったのに比べ、
なんとアラン、私のすぐそばの椅子に座ったのです。
もうこれだけで、二人の性格の違いが良く出ているという
もの。話を聞いてみると、入社したのはアランの方が遅いけれど
photoshopで有名なadobeにいたくらいだから、絶対彼の
方が仕事できそう。アメリカではこういうことよくあるんだけれど
仕事ができないやつに限って偉そうで、本当に仕事ができる
人ほど、腰が低く、誰に対しても態度を変えない。
そんなわけで、アランとだったら働くのが楽しそうだなと
思ったのでした。

さて次は実際にはあまり一緒に働くことにはならなさそうだけれど
同じデパートメントの別の部署のシニアディレクター。
たぶんこれは私の直接のボスになる人が、前日奥さんに子供が生まれて
当日来れなかった為、とりあえずシニアクラスの人にも一人会わせておこうと
そういうことになったみたいです。おそらく40代の女性なんだけれど
この人、なかなか質問が良かった。こういう場合は、何が必要か?
どう対処するか?というケース別の質問のほか、何が自分のstrengthか?
上司には何を求めるか?という質問まで、それぞれ非常に良い
質問がいくつも飛び出しました。さすがシニア!と感心。

さて朝9時から11時までびっしり英語で質問責めに会い、披露困憊。
まいったー!って感じです。で、家に帰るとこの日の午後来るはずだった
ケーブル工事がやってこない。アメリカでは、電話工事、ケーブル工事
などのテクニシャンの予約は、通常午前中か午後かというあいまいな指定
しかできないのですが、時間は適当な上、ほぼ3回に2回はやってきません。
どういう予約システムをしているのかは不明ですが、なんの連絡もなく
ひたすら待っても結局来なかったということが非常に多いです。
で、カスタマーケアに電話をすると、1時間半待ちなんてこともザラ。
とにかくアメリカはこういう点では、信じられないくらいいい加減で、
なんでもちゃんと機能している日本からやってきた私は、発狂しそうに
なることもしばしばです。

面接の話に戻ると、現段階では会社を移るかどうかはまだ未定。
買収により今の会社のベネフィットが格段によくなったこと、そして
短い通勤時間、気楽な環境を捨てられるか、大きな疑問です。
新しい会社の仕事は、給料はいいけれど保険などのベネフィットは最低。
そしてなによりも10分→1時間の通勤時間の伸びは毎日のことなので
かなり苦痛になるはず。キャリア的にも非常に良い仕事だし、
タイトルは上がるし、文句はないはずなんだけれど、いろいろ天秤に
かけると、どうもいまいち気が進まないのです。
さぁどうするべきか?
失業者があふれている今、仕事の口があるだけでもありがたいのだけれど
やっぱり悩まずにはいられません。

ちなみにこの後、直属の上司になる(かもしれない)人に今週金曜日に
会って、それで向こうからオファーがあったら、なるべく早めに回答を
出さなくてはいけないのです。こういう状況だったら、これを読んでいる
あなたは、何を基準に選択を行いますか?