初めてのニューヨーク

夫が2週間ニューヨーク本社へ出張することになり
その間の週末、夫がLAに帰ってくるかわりに
私がNYにいく飛行機代を会社が払ってくれるという
ので、急遽NYに行ってきました。

夫の出張が決まった時点では、彼が行くことに対して
すごく私は心配していました。日本の会社は海外への出張禁止令
などを出しているというのに、アメリカ国内では今も
こうやってごく普通に国内、そして海外への出張が
普通に行われています(ただし個人の旅行などは
減っている)。

飛行機は40%近く席が空いているとの報道もありましたが
便が削られていることもあり、逆に便利な時間帯の便は
混雑してせいか、値段も上がっているのが消費者としての
実感です。

今回、ユナイテッドやアメリカンなど他社の便が
2000ドル以上の価格になっていたので、ロングビーチ
JFKをつなぐ、新しい航空会社ジェットブルーを使用しました。
通常の価格より約10%近く高かったのですが、450ドル程度で
往復できたため、今回はこの飛行機で行ってみました。

ロングビーチ空港は、405号線沿いにあり、私の住んでいる
ロサンゼルス、ウエストサイド地域からは車で約30分の距離。
LAXまでは約10分だが、車を止めてからゲートに行くまで
の間が長い。これと比べ、ロングビーチ空港はこじんまり
しているだけあって、というかカウンターもサウスウエスト航空
ジェットブルー航空の2つしかなく、また便数も少ないので
待ち時間はナシ。まるでバスに乗るかのような感覚で
簡単に飛行機に乗れるのです。これはNYからの帰りも同じで
通常、飛行機を降りてから家に着くまで1時間はかかるところ
なんとロングビーチ空港では、夜で道路がすいていたこともあって
30分以内に家についていたのでビックリしました。

ボーディングのアナウンスの後、ゲートから飛行機まで
自分で飛行場内を歩く。そしてタラップをのぼっていき
飛行機にのる。なんだかレトロですごく新鮮。
このエアラインのウリは、価格の安さと共に
革張りのシートと24時間テレビの生放送が見られること。
逆に削ったのは、機内食(これはサウスウエスト航空も同様)と
マイレージプログラム。もともと夜9時の飛行機で、乗るのも
6時間程度だから、機内食がないのは全然苦になりませんでした。
ちなみに飲み物のサービスは、はっきりいって他のUAやAAと
比較すると、回数も多く、新しいエアラインだからか、スタッフも
若い人が多く、気持ちの良いサービスでした。
UAなど大手は、長年勤めているアテンダントが多く、中には
サービス精神のかけらもないような義務感だけでやってるような
人もいますが、ジェットブルーは往復とも良い印象をもちました。

NYに着いたのは朝5時半。時差が3時間なので、ほとんど眠る暇も
ありません。それゆえ、西から東への夜行便をRed Eye(不眠で目が
赤くなる)というのです。
早朝のJFKでタクシーに乗り、マンハッタンへ。昔はどうかしりませんが
現在、空港からマンハッタンまで35ドルのフラットレートで、約30分
でつきました。

そして夫との再会!(自主規制により中略)

この日は、午前中一眠りした後、NYに20年住んでいる夫の
従姉妹とランチをとり、その後セントラルパークわきを通って5番街へ。
日本で5番街って聞いた時、「街」を想像していたのですが、これって
要するに高級店が並んだ通りのことで、5th Ave, Madison Ave, Park Ave
などこのあたりの東西数ブロックが、大きなロデオドライブというか
銀座というか、まぁそんなカンジなのです。
テロの影響で人が減っているのでは?と思ったのですが、この日は土曜だったせいか
買い物客で大賑わい。日本のニュースでは、観光客激減!1時間半歩いてようやく
日本人夫婦を発見!なんていわれているそうですが、留学生なのかツーリストなのか
定かではないですが、日本人の姿、けっこう見ました。
以前香港に行った時、気に入ったShanghai TangというブティックのNY店をみつけて
入ったのですが、香港の倍以上の値段でビックリ。他にいくつも店をのぞいたのですが
もともとブランドに興味のない私向きの店はないので、1時間ほどで飽きてしまい
今度はメトロに乗ってグランドセントラルステーションへ。

NYの地下鉄は、1とか2とかの番号とアルファベットで、路線をわけている
のですが、これがわかりやすいようでなかなか難しい。それでも、車に乗らないと
どこにも行けない(行きにくい)ロサンゼルスからすると、すごく便利。
NYに行ったことのある観光客が、同じ感覚でLAを旅行しようと思って
その違いにびっくりするというのもうなづけます。

ランドセントラルステーションは、日本にいた時、推理小説やドラマなどに
よくその名前が出てきたので、地下にあるオイスターバーと共に絶対行ってみたい
場所だったのですが、これは行って正解でした。
私の想像では、駅のはしっこに小さなカウンターバーがあって、それがオイスターバー
なのか?と思っていたのですが、実際は大きなレストランで、席は入り口近くの
一般席と、ちょっと奥にあるカウンター席、そして一番奥の喫煙用ボックスシート
分かれており、一番雰囲気がいいのがくやしいことにこの喫煙席なのです。
ちなみに食事は、ランチがヘビーだったため、クラムチャウダーと1個ずつオーダーできる
生カキ、そして白ワインでした(夫は魚料理)。生カキは、さすがに種類が
豊富で、西海岸ではなかなかお目にかからない種類のものもあり(特にカナダ産)、
いろいろ堪能しました。でも1個2〜3ドルするので、財布と相談しつつの
注文です。アメリカでは、クマモトという名前のカキが小粒だけれどグルメな
味として知られているのですが、実はこれはカリフォルニア産。どうりで以前
熊本に行った時にカキがたいして名物じゃなかったわけです。

そんなわけで、料理はまずまず。そしてグランドセントラルステーションの
レトロな雰囲気を満喫してきました。ここは、駅の中にいろんなお店があり
地階にはフードコート&レストランがあるので、観光のついでにランチ休憩するのも
グーです。またこのフードコートの中に、ジュニアズという軽食の店があるのですが
ここのチーズパイ。友人にすすめられて食べてみたら、なかなか美味しかったです。
アメリカでは珍しい、クリーミーで甘さを押さえた味が秀逸!

ちなみにこの駅をはじめ、メトロのあらゆるところにSeptember 11(アメリカでは
同時多発テロ事件とはいわずに、通常「セプテンバーイレブン」と呼んでいる)
で亡くなった方を探すために掲示板や追悼の言葉を書いたカードなどがはってあり、
私はグランドセントラルステーションの掲示板の前で、ひとりひとりの名前と特徴、
事件があった時働いていた階などが写真と共に書かれた紙を見ていて、思わず
夫と共に泣いてしまいました。事件後、ショックでこわいという気持ちはあったもの
泣いたのは初めてのことです。テレビで見ていたあの事件は、ニューヨークでは
「テレビの中の出来事」ではなく、すぐ目の前の真実なのです。
張り紙には、MISSING(行方不明)と書かれ、今でも家族は必死になって親や兄弟や
配偶者を探している様子が伝わってきます。日本人のものも多数ありました。
また、行方不明者の顔写真の中には、結婚式でとったものと思われるものもあり、
見ていて涙が止まりませんでした。

日本では、「特撮の方がすごい」「久々に面白いニュースだ」みたいなことを平気で
いう人が大勢いるようですが、こうやってニューヨークの地にたってみると
それが自分の国で起きたことではないからという、いかに無神経な発言かと思います。
ちなみにこの時期、夫が今回の出張で働いているのはWTC(ワールドトレードセンター)から
数ブロック離れていたところにあるビル。窓の外からは、クレーン車が見え、付近を
歩くと、あたりはなんともいえない匂いが立ち込めているそうです。

夜は、町を歩き回り、みやげ物ものぞきました。
今、最も目に付くのは、「アイ ラブ ニューヨーク」もの。特に「アイ ラブ ニューヨーク
モア ザン エバー」(今まで以上にNYがダイスキ!)っていうものが、事件後の
新商品のようです。ニューヨークの人たちは人一倍、自分の町が好きなようで、これは
観光客じゃなくても地元の人も着ているようです。
こういう事件が商売になってしまうのも、どうかと思いますが、街にはWTCのツインタワーの
ポスターや写真、グッズなどがあちこちの路上で売られており、みやげ物屋では
最もよく目に付くところに売られています。でも路上で売っている人のほとんどが
中国系や、アフリカ系(アメリカ市民ではない黒人)の人が多いのが、気になります。

夫はWTCのあったところの近くで働いているため、毎日観光客(アメリカ人も多数いる)から
WTCの近くに行ける道はないか?近くで見てみたい。記念写真を撮りたい」と
声をかけられるそうです。これは、やはり付近の道路が閉鎖されているためで、
夫はニューヨーク本社の同僚に「行ってみたいか?」と聞かれ、案内してもらったそうですが
その場でにっこり笑って、家族で記念撮影をしている人たちを見て、非常に複雑な
気持ちになったそうです。

というわけで長々と書きましたが、はじめてのニューヨーク一泊2日旅行楽しかったです。
なにが楽しいって、やっぱり街の雰囲気、歩いて旅行できること、そして洗練された
お店がたくさんあること。結局、私は都会が好きなんだなぁとあらためて思いました。
特に時間がなくて1時間しかいられなかったSOHO、これこそ私の夢見ていた
アメリカ!とまで思ってしまいました。ロサンゼルスのポップでキュートでチープな
雰囲気も好きだけれど、ニューヨークはさらに何かがあるってかんじです。

次回はいつ行けるかな?


追記:その後子供が生まれてしまい、当分NY行きの予定はなさそうです。トホホ。